2013年03月
2013年03月31日
アイドルグループ「NMB48」の山本彩さん、渡辺美優紀さんらが主演を務めた映画「NMB48 げいにん! THE MOVIE お笑い青春ガールズ!」(内田秀実監督)が、沖縄国際映画祭のLaugh部門に出品され、メンバーの山本さん、渡辺さん、山田菜々さん、小笠原茉由さん、小谷里歩さんが取材に応じた。オープニングセレモニーでは、前田敦子さんや成宮寛貴さんらと同じレッドカーペットを歩いた5人に、沖縄国際映画祭や初主演映画についての思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)
【写真特集】インタビューに答えるNMB48のメンバーの様子
作品は12年7〜9月に放送されたNMB48のメンバー出演の日本テレビ系バラエティー番組「NMB48 げいにん!」を映画化した。それぞれ自身と同名の役を演じている。物語は誰もがあこがれる関西有数のお嬢様学校「なんば女学院」で、ちょっと浮いた存在の「お笑い部」が舞台。色気より笑いを求め、漫才の練習に明け暮れる部のエース・山本彩、その相方の横山由依、部長の山田菜々、“モノぼけ”が得意な小笠原茉由、元気印の小谷里歩の5人が「全国女子高生お笑い選手権」、通称「JK-1」が開催されると聞き、優勝を目指して一致団結する。しかし、突然入部してきた謎の美少女転校生・渡辺美優紀によって部員の人間関係が大きく変わっていく……と展開する。
沖縄国際映画祭のレッドカーペットを歩くのは2回目だったというが、山本さんは「前回は、ゲストとして、今回は映画の出演者として、作品を持って歩けました。前回よりもたくさんの方が迎えてくださった」とうれしそうに振り返った。1回目のことは緊張であんまり覚えていないという小笠原さんは「今回は想像以上にワイワイしていて楽しかった。名前を一人一人呼ばれるんですよ!」と興奮ぎみに語り、山田さんは「別に普通の女の子と変わらないんです、私たち。でも声援をくれる人がいるんや、アイドルなんやなとうれしく思いました」と人気を実感する機会になったようだ。
一方、小谷さんは「衣装負けならぬ、レッドカーペット負けした」と、緊張していたようで「あの場所自体にオーラがある。もっと前を見て歩けたらなと思いました」と話した。渡辺さんは「私たちは初めての映画だし、私は演技の経験も浅くて『いいのかな』と言う気持ちになった」と恐縮したが、「たくさんの記者の方が取材してくれて、温かいな(と思った)。レッドカーペットを歩ききって、大人の階段を上ったような気持ちになりました」と笑顔を見せた。
劇中では、メンバーがドラマ部分の演技と本格的な漫才を披露するほか、番組で見せたモノぼけなどのアドリブコーナー、渡辺さんが、メンバーに私服をプロデュースするシーンなども盛り込まれている。山田さんは「お笑いのアドリブ分は、テレビの時よりかなり少ない。演技はそんなに経験もないし、難しかった。後から見ると思っていたよりできてないと思いました」と話した。小谷さんは「衣装が私一人だけ派手。でも普段は黒ばっかりなので、ちょっと目立っている自分が恥ずかしかった」と笑った。渡辺さんは「みんなに服を選んだり見たりするのが、めっちゃ楽しかったです。プロデュースするのが結構好きなんだと思った」と目を輝かせ、「アイドルのプロデュースがしたい!」と、新たな夢を語った。
山本さんとコンビを組んで漫才を披露した渡辺さんは「とにかく覚えるのが大変でした」といい、「客席にはエキストラのお客さんがいたので、本当にステージの上で漫才しているみたいで緊張しました」と話した。山本さんは「台本を見ただけで面白いと思ってしまうネタを、私たちがやることで面白くなくなってしまったらとってももったいないと思いました」と猛練習をしたことを話したが、「漫才の出来が悪くてすべって、空気が悪くなっていくシーンもあったんですが、練習していたので意外とテンポがよくって。でも『そういうシーンじゃない』と言われて、逆にできない感じを出すのがすごく難しかった」と意外な苦労も明かした。
「もしお笑いのコンテストに本当に出るなら?」と聞くと、メンバーは「出たくない、怖い」と口をそろえ、山本さんは「私たちはアイドルですがお笑いもやって、ほかのグループにはないところを追求したいんですが、漫才とかするたびに、お笑い芸人さんってすごいな、と思う。尊敬します」としみじみと語った。「次に主演映画をやるなら?」という質問には、「ホラーがしたい!」と即答した渡辺さん。「いつもにぎやかにわちゃわちゃしているNMB48が、ちょっと大人しくしたらどうなるか……」と笑顔で話した。小笠原さんも「『うわー!』『いやー!』とか叫びたい!」とうなずき、「お化け役をするのが夢なんです。オファーくるかな。来年はホラーで!」と意気込んでいた。
【写真特集】インタビューに答えるNMB48のメンバーの様子
作品は12年7〜9月に放送されたNMB48のメンバー出演の日本テレビ系バラエティー番組「NMB48 げいにん!」を映画化した。それぞれ自身と同名の役を演じている。物語は誰もがあこがれる関西有数のお嬢様学校「なんば女学院」で、ちょっと浮いた存在の「お笑い部」が舞台。色気より笑いを求め、漫才の練習に明け暮れる部のエース・山本彩、その相方の横山由依、部長の山田菜々、“モノぼけ”が得意な小笠原茉由、元気印の小谷里歩の5人が「全国女子高生お笑い選手権」、通称「JK-1」が開催されると聞き、優勝を目指して一致団結する。しかし、突然入部してきた謎の美少女転校生・渡辺美優紀によって部員の人間関係が大きく変わっていく……と展開する。
沖縄国際映画祭のレッドカーペットを歩くのは2回目だったというが、山本さんは「前回は、ゲストとして、今回は映画の出演者として、作品を持って歩けました。前回よりもたくさんの方が迎えてくださった」とうれしそうに振り返った。1回目のことは緊張であんまり覚えていないという小笠原さんは「今回は想像以上にワイワイしていて楽しかった。名前を一人一人呼ばれるんですよ!」と興奮ぎみに語り、山田さんは「別に普通の女の子と変わらないんです、私たち。でも声援をくれる人がいるんや、アイドルなんやなとうれしく思いました」と人気を実感する機会になったようだ。
一方、小谷さんは「衣装負けならぬ、レッドカーペット負けした」と、緊張していたようで「あの場所自体にオーラがある。もっと前を見て歩けたらなと思いました」と話した。渡辺さんは「私たちは初めての映画だし、私は演技の経験も浅くて『いいのかな』と言う気持ちになった」と恐縮したが、「たくさんの記者の方が取材してくれて、温かいな(と思った)。レッドカーペットを歩ききって、大人の階段を上ったような気持ちになりました」と笑顔を見せた。
劇中では、メンバーがドラマ部分の演技と本格的な漫才を披露するほか、番組で見せたモノぼけなどのアドリブコーナー、渡辺さんが、メンバーに私服をプロデュースするシーンなども盛り込まれている。山田さんは「お笑いのアドリブ分は、テレビの時よりかなり少ない。演技はそんなに経験もないし、難しかった。後から見ると思っていたよりできてないと思いました」と話した。小谷さんは「衣装が私一人だけ派手。でも普段は黒ばっかりなので、ちょっと目立っている自分が恥ずかしかった」と笑った。渡辺さんは「みんなに服を選んだり見たりするのが、めっちゃ楽しかったです。プロデュースするのが結構好きなんだと思った」と目を輝かせ、「アイドルのプロデュースがしたい!」と、新たな夢を語った。
山本さんとコンビを組んで漫才を披露した渡辺さんは「とにかく覚えるのが大変でした」といい、「客席にはエキストラのお客さんがいたので、本当にステージの上で漫才しているみたいで緊張しました」と話した。山本さんは「台本を見ただけで面白いと思ってしまうネタを、私たちがやることで面白くなくなってしまったらとってももったいないと思いました」と猛練習をしたことを話したが、「漫才の出来が悪くてすべって、空気が悪くなっていくシーンもあったんですが、練習していたので意外とテンポがよくって。でも『そういうシーンじゃない』と言われて、逆にできない感じを出すのがすごく難しかった」と意外な苦労も明かした。
「もしお笑いのコンテストに本当に出るなら?」と聞くと、メンバーは「出たくない、怖い」と口をそろえ、山本さんは「私たちはアイドルですがお笑いもやって、ほかのグループにはないところを追求したいんですが、漫才とかするたびに、お笑い芸人さんってすごいな、と思う。尊敬します」としみじみと語った。「次に主演映画をやるなら?」という質問には、「ホラーがしたい!」と即答した渡辺さん。「いつもにぎやかにわちゃわちゃしているNMB48が、ちょっと大人しくしたらどうなるか……」と笑顔で話した。小笠原さんも「『うわー!』『いやー!』とか叫びたい!」とうなずき、「お化け役をするのが夢なんです。オファーくるかな。来年はホラーで!」と意気込んでいた。
NTTドコモは、現在実施している学生向けキャンペーン「応援学割」の一環として、ドコモダケ帽子をかぶって写真や動画を送ると、キャンペーンキャラクターを務める AKB48 のメンバーがテレビ CM で実際にかぶった"本物のドコモダケ帽子"が当たるプレゼントキャンペーンを開始した。
このキャンペーンは、期間中に「応援学割」サイト内の「ドコモダケ写真館」から Twitter アカウント、Google+アカウントもしくは Facebook アカウント(4月上旬受付開始予定)を利用してドコモダケ帽子をかぶった写真や動画を投稿すると、集まった投稿の中から審査員である"ドコモ田家"の家族会議による選考で当選者を決定。8人の AKB48 メンバーがテレビ CM の中で実際にかぶった"ドコモダケ帽子"を、写真投稿の中から4名、動画投稿の中から4名の合計8名にプレゼントするという。
そして、キャンペーンの応募総数が1万件に達した場合には、賞品がグレードアップしてレアな"AKB ダケぬいぐるみ"をそれぞれの帽子とセットにしてプレゼントするとのこと。
キャンペーン期間は2013年4月30日まで。当選発表は5月下旬を予定しているとのこと。ちなみに、撮影に使用できるドコモダケ帽子は全国のドコモショップなどに置いてあるほか、キャンペーンの特設サイトから PDF をダウンロードして自作したものでも可能だという。
このキャンペーンは、期間中に「応援学割」サイト内の「ドコモダケ写真館」から Twitter アカウント、Google+アカウントもしくは Facebook アカウント(4月上旬受付開始予定)を利用してドコモダケ帽子をかぶった写真や動画を投稿すると、集まった投稿の中から審査員である"ドコモ田家"の家族会議による選考で当選者を決定。8人の AKB48 メンバーがテレビ CM の中で実際にかぶった"ドコモダケ帽子"を、写真投稿の中から4名、動画投稿の中から4名の合計8名にプレゼントするという。
そして、キャンペーンの応募総数が1万件に達した場合には、賞品がグレードアップしてレアな"AKB ダケぬいぐるみ"をそれぞれの帽子とセットにしてプレゼントするとのこと。
キャンペーン期間は2013年4月30日まで。当選発表は5月下旬を予定しているとのこと。ちなみに、撮影に使用できるドコモダケ帽子は全国のドコモショップなどに置いてあるほか、キャンペーンの特設サイトから PDF をダウンロードして自作したものでも可能だという。
お笑いタレントとしてだけでなく、TVドラマや映画などで俳優としても活躍するケンドーコバヤシ。沖縄・宜野湾で開催中の『第5回沖縄国際映画祭』に出品されたNMB48初の長編映画『げいにん!THE MOVIE』でも“お笑い部”の顧問として抜群の存在感を醸し出している。NMB48のことは「親戚の子みたいな感覚」というほど親しみ感じているケンコバが、このたび沖縄の地でメンバーの山田菜々、小谷里歩、小笠原茉由とともにORICON STYLEのインタビューに応じ、同作の撮影を振り返った。
第5回沖縄国際映画祭 特集『南国発!熱狂の映画とお笑いの一大祭典をレポート☆』
NMB48の同映画祭の参加は今年で3回目。小笠原が「1回目のときはゲストとして大勢で来たけれど、今回は女優さんとして6人という少数精鋭でレッドカーペットを歩けたのがうれしい」と喜ぶと、山田も「あぁ、私たちの映画が上映されるんやって。私、本当は女優さんになりたいんです」と感慨ひとしお。
初めての映画出演という同グループの大躍進に、ケンコバは「企画があがったのが6年前ですか…その時から携わらせてもらいましたからね。全部、俺のアドバイスの元に作られたようなもんですよ」と得意げ。小笠原から「ウソウソ。6年なんて、まだ結成もしてない」と訂正が入ると、ケンコバは「でも本当に、この映画祭が出来る頃に100人の監督を募集する話があって、まっ先に企画書を提出したんです」と明かした。
すかさずメンバーから「ケンコバさんの作品、私たちも出たい!」と声があがると、「まぁ、その企画は僕主演のポルノだったんでね。お前らなんて、親戚の子らみたいな感覚やからな…大問題になるわ」とやや困惑気味。しばらく悩んだ末、「NMB48で映画作るなら、アリの一生みたいなセミドキュメンタリーやな。女王に一生懸命餌を運んで死んでいく。途中、他の群れとの闘いがあったり…」と提案すると、女優志望の山田は「もっと可愛いのがいい、それやったらさっき言ってたポルノのほうがマシ」と口を尖らせ、他のメンバーからもブーイングを受けていた。
そんなケンコバも、撮影現場では“良き顧問っぷり”を発揮。小笠原から「さやみるきーの漫才の時、すごい心配していて」と暴露されると、「台本見ていて、俺でも2回ぐらい練習したいくらい難しいなと。タムケンやったら無理やなみたいなレベルだったんですよ」と振り返り、「さらっとやりましたね、みるきー。『あそこは丁寧にやれよ』とだけ言ったんですけれどね…」と目を細めた。
「適当ばっかり言うけれど、実は優しいんです」「ケンコバさんが隣に座ってくれると、安心し過ぎちゃって眠くなっちゃったくらい」とNMBのメンバーに絶賛されて照れたケンコバは「お前らに優しくするのなんて、目的はひとつしかないんやけどな…」と不敵な笑みを浮かべ、「また下ネタ考えてる」と叱られていた。
第5回沖縄国際映画祭 特集『南国発!熱狂の映画とお笑いの一大祭典をレポート☆』
NMB48の同映画祭の参加は今年で3回目。小笠原が「1回目のときはゲストとして大勢で来たけれど、今回は女優さんとして6人という少数精鋭でレッドカーペットを歩けたのがうれしい」と喜ぶと、山田も「あぁ、私たちの映画が上映されるんやって。私、本当は女優さんになりたいんです」と感慨ひとしお。
初めての映画出演という同グループの大躍進に、ケンコバは「企画があがったのが6年前ですか…その時から携わらせてもらいましたからね。全部、俺のアドバイスの元に作られたようなもんですよ」と得意げ。小笠原から「ウソウソ。6年なんて、まだ結成もしてない」と訂正が入ると、ケンコバは「でも本当に、この映画祭が出来る頃に100人の監督を募集する話があって、まっ先に企画書を提出したんです」と明かした。
すかさずメンバーから「ケンコバさんの作品、私たちも出たい!」と声があがると、「まぁ、その企画は僕主演のポルノだったんでね。お前らなんて、親戚の子らみたいな感覚やからな…大問題になるわ」とやや困惑気味。しばらく悩んだ末、「NMB48で映画作るなら、アリの一生みたいなセミドキュメンタリーやな。女王に一生懸命餌を運んで死んでいく。途中、他の群れとの闘いがあったり…」と提案すると、女優志望の山田は「もっと可愛いのがいい、それやったらさっき言ってたポルノのほうがマシ」と口を尖らせ、他のメンバーからもブーイングを受けていた。
そんなケンコバも、撮影現場では“良き顧問っぷり”を発揮。小笠原から「さやみるきーの漫才の時、すごい心配していて」と暴露されると、「台本見ていて、俺でも2回ぐらい練習したいくらい難しいなと。タムケンやったら無理やなみたいなレベルだったんですよ」と振り返り、「さらっとやりましたね、みるきー。『あそこは丁寧にやれよ』とだけ言ったんですけれどね…」と目を細めた。
「適当ばっかり言うけれど、実は優しいんです」「ケンコバさんが隣に座ってくれると、安心し過ぎちゃって眠くなっちゃったくらい」とNMBのメンバーに絶賛されて照れたケンコバは「お前らに優しくするのなんて、目的はひとつしかないんやけどな…」と不敵な笑みを浮かべ、「また下ネタ考えてる」と叱られていた。
期待を裏切った作品があれば想像以上の反響もあった冬ドラマ。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が総括した。
* * *
いよいよ3月も終わり。冬ドラも次々に最終回を迎えて大団円。
「民放の連ドラは15%が合格ラインといわれるが、はるかに下回っている」「ドラマ冬の時代は避けられそうにない」(J-CASTニュース)
というように、視聴率を根拠にテレビドラマの低調ぶりを嘆く言説は多い。けれど、私はそう思いません。細かなところに丁寧な工夫が凝らされ、ストーリーに限らず演出や構成がとても斬新だったり、役者がすごい集中力を発揮したり、新しい個性を見せてくれたり……。秀逸な娯楽作品が、今期のドラマにも確実にあったからです。
ドラマを録画して見る人も増えた今日この頃。放映時の視聴率という、古典的な数字だけでは評価しきれないドラマの中身。そこで、数ある冬ドラの中から、視聴「質」を軸に「極私的ベスト3」を選んでみました。
●1位 『書店員ミチルの身の上話』(NHK)
「もし、偶然手にした宝くじが、2億円の当たりくじだったら…。」がキャッチコピーの10回ドラマ。平々凡々とした地方都市の一書店員・ミチルが2億円の宝くじを当て、本人と周辺の人々の運命が急激に狂いだし、何人もの人が死んでいく、という物語。
絶対にありえない、闇の夜に針の穴を通すような物語設定。なのに、もの凄いリアリティ。ぐいぐい引き込まれました。ミチルを演じた戸田恵梨香は、いかにも地方都市の平凡な書店員という役作りで二重マル。安藤サクラや高良健吾、濱田マリ、新井浩文の脇役陣もぴりりと効いた。
芝居上手な役者を配置し、説明セリフを廃し、衣装からセット、ロケ地の選定まで的確。物語世界の雰囲気・空気感をしっかりと際立たせた映像センス。演出家とスタッフに大きな拍手です。ファンタジー世界にどっぷりと没入させてくれた、という意味で、この作品は「映画的」に成功した作品でもありました。ちなみに10回の平均視聴率はたったの「6.1%」でした。
●2位 ? 『ミエリーノ柏木』(テレビ東京系)
AKB48・柏木由紀の連続ドラマ初主演作。触れた相手の恋愛にまつわる近未来が見えてしまう、特殊能力を持つカフェ従業員・柏木が、さまざまな恋愛模様に出会い、自分自身も変化していくという風変わりなドラマ。
風変わりといえば、毎回オムニバス形式でドラマツルギーとしては掴みにくいけれど、カフェのマスター演じる佐野史郎、手伝いの今野浩喜(キングオブコメディ)と柏木が交わす会話が実に味わい深い。それに加えて、言葉を使わないアイコンタクト、表情、しぐさのコミュニケーションの妙が。
「素」と「演技」、「実」と「虚」が出たり入ったり、押したり引いたり。ドラマの途中でドキュメンタリー的映像が差し挟まれ、トークゲストと柏木が生な会話。この仕掛けと演出も秀逸です。企画・原作が秋元康ということを何も知らずに見始めましたが、その不思議な空気感の出来具合に唸らされた。先入観なく入ることができて、むしろラッキーでした。
視聴率は(深夜枠で相手にされていないためか調べてもよくわからない)最初の数回は2%程度。その存在すら、限られた人しか知られていないドラマでした。
●3位 『カラマーゾフの兄弟』(フジテレビ系)
3兄弟の長男・黒澤満は斎藤工、次男の勲を市原隼人、三男の涼を林遣都。3人の男優が鮮やかにキャラクターを演じ分け、見ていて楽しかった。そして父・文蔵を演じた舞台役者、吉田鋼太郎の怪気炎が凄かった。
目をむき、声が響き渡り、汗が飛んできそう。肉体的感覚が画面からはみ出してきそうなドラマ。という意味で、テレビの枠組みを超えてとても「舞台的」でした。ちなみに平均視聴率は「6.3%」。
1位は「映画的」で映像センスの良さが際だった。2位は「虚と実の融合」する浮遊感覚がおもしろかった。3位は「舞台的」な直接性に、ぐっと掴まれました。
でも、視聴率については3つの作品を足しても、「民放連ドラの合格ライン」の15%に届きません。通知票の数字がいかに無意味なのかとしみじみ感じ入ってしまいます。
<番外編>順位には入らなかったけれど、個性を放った次の三作品も忘れられません。
・『最高の離婚』 主婦の共感を呼び、物語構造もおもしろかったが、最後に綾野&真木のカップルが「最低の結婚」をしてしまってちょっと残念なオチ。なので番外。
・『ビブリア古書堂の事件手帖』 古書をテーマにドラマ化とはあっぱれ。細かな謎解きが好きな人にはたまらない仕上がりに。
・『まほろ駅前番外地』 瑛太と松田龍平の空気感がいいけれど、すでに映画になっているので番外に。
次の春ドラマもぜひ、輝く個性的作品を生み出してほしい。制作陣のみなさん、応援しています!
* * *
いよいよ3月も終わり。冬ドラも次々に最終回を迎えて大団円。
「民放の連ドラは15%が合格ラインといわれるが、はるかに下回っている」「ドラマ冬の時代は避けられそうにない」(J-CASTニュース)
というように、視聴率を根拠にテレビドラマの低調ぶりを嘆く言説は多い。けれど、私はそう思いません。細かなところに丁寧な工夫が凝らされ、ストーリーに限らず演出や構成がとても斬新だったり、役者がすごい集中力を発揮したり、新しい個性を見せてくれたり……。秀逸な娯楽作品が、今期のドラマにも確実にあったからです。
ドラマを録画して見る人も増えた今日この頃。放映時の視聴率という、古典的な数字だけでは評価しきれないドラマの中身。そこで、数ある冬ドラの中から、視聴「質」を軸に「極私的ベスト3」を選んでみました。
●1位 『書店員ミチルの身の上話』(NHK)
「もし、偶然手にした宝くじが、2億円の当たりくじだったら…。」がキャッチコピーの10回ドラマ。平々凡々とした地方都市の一書店員・ミチルが2億円の宝くじを当て、本人と周辺の人々の運命が急激に狂いだし、何人もの人が死んでいく、という物語。
絶対にありえない、闇の夜に針の穴を通すような物語設定。なのに、もの凄いリアリティ。ぐいぐい引き込まれました。ミチルを演じた戸田恵梨香は、いかにも地方都市の平凡な書店員という役作りで二重マル。安藤サクラや高良健吾、濱田マリ、新井浩文の脇役陣もぴりりと効いた。
芝居上手な役者を配置し、説明セリフを廃し、衣装からセット、ロケ地の選定まで的確。物語世界の雰囲気・空気感をしっかりと際立たせた映像センス。演出家とスタッフに大きな拍手です。ファンタジー世界にどっぷりと没入させてくれた、という意味で、この作品は「映画的」に成功した作品でもありました。ちなみに10回の平均視聴率はたったの「6.1%」でした。
●2位 ? 『ミエリーノ柏木』(テレビ東京系)
AKB48・柏木由紀の連続ドラマ初主演作。触れた相手の恋愛にまつわる近未来が見えてしまう、特殊能力を持つカフェ従業員・柏木が、さまざまな恋愛模様に出会い、自分自身も変化していくという風変わりなドラマ。
風変わりといえば、毎回オムニバス形式でドラマツルギーとしては掴みにくいけれど、カフェのマスター演じる佐野史郎、手伝いの今野浩喜(キングオブコメディ)と柏木が交わす会話が実に味わい深い。それに加えて、言葉を使わないアイコンタクト、表情、しぐさのコミュニケーションの妙が。
「素」と「演技」、「実」と「虚」が出たり入ったり、押したり引いたり。ドラマの途中でドキュメンタリー的映像が差し挟まれ、トークゲストと柏木が生な会話。この仕掛けと演出も秀逸です。企画・原作が秋元康ということを何も知らずに見始めましたが、その不思議な空気感の出来具合に唸らされた。先入観なく入ることができて、むしろラッキーでした。
視聴率は(深夜枠で相手にされていないためか調べてもよくわからない)最初の数回は2%程度。その存在すら、限られた人しか知られていないドラマでした。
●3位 『カラマーゾフの兄弟』(フジテレビ系)
3兄弟の長男・黒澤満は斎藤工、次男の勲を市原隼人、三男の涼を林遣都。3人の男優が鮮やかにキャラクターを演じ分け、見ていて楽しかった。そして父・文蔵を演じた舞台役者、吉田鋼太郎の怪気炎が凄かった。
目をむき、声が響き渡り、汗が飛んできそう。肉体的感覚が画面からはみ出してきそうなドラマ。という意味で、テレビの枠組みを超えてとても「舞台的」でした。ちなみに平均視聴率は「6.3%」。
1位は「映画的」で映像センスの良さが際だった。2位は「虚と実の融合」する浮遊感覚がおもしろかった。3位は「舞台的」な直接性に、ぐっと掴まれました。
でも、視聴率については3つの作品を足しても、「民放連ドラの合格ライン」の15%に届きません。通知票の数字がいかに無意味なのかとしみじみ感じ入ってしまいます。
<番外編>順位には入らなかったけれど、個性を放った次の三作品も忘れられません。
・『最高の離婚』 主婦の共感を呼び、物語構造もおもしろかったが、最後に綾野&真木のカップルが「最低の結婚」をしてしまってちょっと残念なオチ。なので番外。
・『ビブリア古書堂の事件手帖』 古書をテーマにドラマ化とはあっぱれ。細かな謎解きが好きな人にはたまらない仕上がりに。
・『まほろ駅前番外地』 瑛太と松田龍平の空気感がいいけれど、すでに映画になっているので番外に。
次の春ドラマもぜひ、輝く個性的作品を生み出してほしい。制作陣のみなさん、応援しています!